輸入ビジネス実践者の中には、無在庫販売で稼いでいる人も一定数います。もしかすると、無在庫販売という単語事態、多くの方には聞きなれないものかもしれません。
Amazon輸入では、FBAなどの在庫を抱えて販売する有在庫販売が一般的ですが、在庫を一切抱えず無在庫で販売するとはどういうことなのか。
そして、その方法はFBAの利用よりも稼ぎやすい方法なのかそれぞれ比較解説します。
無在庫販売とは?
無在庫販売とはどんな販売方法か
無在庫販売とは、その名の通り在庫を持たずに商品を販売する方法です。
そんな夢のような方法があるのか。と思いますが、カラクリはシンプルです。
例えば、Amazonで無在庫販売を行っているセラーは、出荷予定日数を多めに記載しています。それは、注文を受けてから初めて商品を仕入れて、数日かけて発送するためです。
きちんと計画的に行わないと、失敗するリスクもありますが、上手くいけばそのような方法で在庫を抱えることなく販売活動を行うことができます。
有在庫販売との違い
Amazonでの販売では、一般的にはお客さんから注文が入ったら商品を即出荷します。
それがFBAなら、注文を受けてからその翌日には商品が届きます。自己発送セラーからでも、早いと3日程で商品が届きますよね。
その一方で、無在庫販売セラーから商品を購入する場合は、早くて2週間。遅いと一か月も待たないと商品が届きません。
つまり、Amazonで有在庫セラーと無在庫セラーを見分けるコツは、セラー一覧画面で発送日数を確認することです。
このようなプライムマークのセラーがすべてFBA発送とは限りません。
Amazonには最近、マケプレプライムというサービスが追加され、Amazon倉庫外からの発送でもプライムマークをつけることができるようになりました。
マケプレプライムセラーはほとんど有在庫の自己発送セラーですが、無在庫の可能性も0ではありません。
その逆に、自己発送セラーがすべて無在庫かというと、そうではありません。
プライムマークがついていないのが、自己発送セラーの特徴ですが、こちらも注目すべきは発送までにかかる日数です。
注文日から近い日の発送であれば、有在庫。かなり先の発送であれば、それは無在庫だと判断しましょう。
BUYMA・メルカリでの無在庫販売
無在庫販売という方法は、最近できた物販手法ではありません。物販界隈では、かなり前からある販売手法です。
Amazonでの方法が一番多いのかもしれませんが、他にもBUYMAやメルカリと組み合わせて行っている人もいます。
残念ながらぼくは無在庫を行ったことがなく、具体的な方法はわかりませんが、BUYMAやメルカリで無在庫で稼ぐというような趣旨の情報商材やセミナーなどはよく目にします。
その他にも、NETSEAを利用してAmazonで販売するという組み合わせ技もあるので、無在庫販売というのは特定のプラットフォームに縛られずにできるということも特徴です。
無在庫販売のメリット・デメリット
圧倒的な出品数と手数料の安さ
一部のセラーを除き、無在庫販売を行うセラーはかなり大量に商品を出品します。
Amazonでは1アカウントにつき、最大販売数が定められているので、無在庫セラーはその制限いっぱいまで出品していることが多いです。これは規約違反になりますが、制限をさらに越えて出品するために複数アカウントで運用してるセラーも見かけます。
無在庫セラーにとっては、取り扱い商品数が多くなればなるほど、売り上げは増加します。
有在庫セラーは商品の横積みをしようと思っても、実際に商品を仕入れて販売するという資金と手間の問題があるため無在庫のような戦略は取ることができません。
なので、このあたりの圧倒的横積みできる点が無在庫販売の強みになります。ちなみに、何万という商品をリサーチするのは骨の折れる作業のため、リサーチにはツールを使っている人が大半だと予想されます。
また、FBAで販売する場合、約20%ほどの手数料をAmazonに支払うことになりますが、自己発送での販売の場合は10~15%程に手数料を抑えることができます。
「たった10%くらいの違い?」とお考えかもしれませんが、物販における10%はものすごく大きい数字です!
月に100万円売り上げたら、その内の10%なら10万円。1,000万円売り上げたら、その内の10%なら100万円。と売り上げ規模が大きになるに従って、10%の重みは増していきます。
アカウント閉鎖の危険
先程も、複数アカウントの所持はAmazonの規約違反になると紹介しましたが、無在庫販売は様々なリスクが付きまとう危険な方法です。
では、具体的にどんなアカウントリスクがあるのかそれぞれ紹介したいと思います。
Amazonでの自己発送商品に注文が入ったら、決められた日数以内に商品を出荷しなくてはいけません。
これは自分で設定できるので、いくらでも配送日を後にできるのですが、あまりに配送まで待たされる日数ではお客さんは購入してくれません。
そのため、無在庫セラーはお客さんが購入してくれる日数かつ商品を用意できる、ギリギリの日数を設定する必要があります。
もし決められた日数内に発送できなかった場合は、アカウントの健全性が下がり、アカウントの停止・閉鎖のリスクが高まります。
さらに、商品が予定日内で届かなかったら、お客さんからのクレームも怖いですよね。
次に、仕入れ先の商品が売切れてしまうリスクがあります。
もし、そんなことになってしまった場合は、他の販売者や店舗から高値でも商品を購入しなくてはいけません。これができない場合、セラー都合の販売キャンセルになるため、アカウントにキズがつきます。
こういったトラブルが起きないように、日ごろから仕入れ先のチェックを毎日しておく必要がありそうですよね。
リスクコントロールの方法
一度のミスではアカウントの閉鎖には至りませんが、繰り返しミスが重なれば、いつかはAmazonで販売活動を行うことができなくなります。
そうならないために、無在庫販売をする場合は、しっかりこのようなリスクをコントロールしなくてはいけません。
行き当たりばったりで無在庫販売を始めるのはとても危険なので、始める際には事前に計画書を作成し、文章にして仕入れ先から販売までの手順をまとめられると良いかもしれません。
緻密な計画を立てるのが苦手な方には、ちょっと大変そうですね・・・
2つの注意事項
こまめな価格の変動を監視する
アカウント関係以外にも、大事なことが1点あります。
それは、取り扱い商品の価格変動により利益が望めないことがあることです。
商品の価格は常に一定ということではなく、日々少しずつですが変化し続けています。出品したときには利益が取れる価格だったとしても、他のセラーが参入することで値下げは簡単に起こり得ます。
そうなってしまうと、赤字の価格で商品を販売することもあるかもしれません。また、販売価格以外にも、仕入れ価格も変動しているので、1つの商品につき販売価格と仕入価格の両方を監視し続けることになります。
仕入れ先の在庫確保の徹底
仕入れ先の監視は価格よりも、商品そのものが売り切れていないかの方がより重要です。
例えば100商品くらいなら、毎日仕入れ先を巡回することもできそうですが、1,000点や100,000点の大量出品になってくると、もう人力ではどうにもならなくなります。
そうなってしまっては、ツールに仕入れ先を自動チェックしてもらう方が時短できますし、より安心です。
人がやらなくてはいけないことは、仕方ないので作業する必要がありますが、機械やツールにできることはそちらに任せてしまった方がコストパフォーマンスが良いですよね。
結論
ここまで、無在庫販売の特徴からメリット・デメリットを紹介してきました。
ぼくの出した結論は、「無在庫販売はうまく行えば稼ぐことは可能だけれど、リスクが高いので止めた方が良い」です。
確かに、稼げる稼げないという話では、多くの実践者がしっかり稼いでいるので、稼ぐことができます。
しかし、この方法はそもそもAmazonの規約に違反していますし、ミスを重ねたり、計画そのものがきちんと練れていなかったときに発生するトラブルが怖いので積極的に取り組みたい方法ではありません。
有在庫販売は無在庫程、利益率は良くないかもしれませんが、自分を守り長期的に稼いでいくのならこちらの方が絶対におすすめです。
もし、これから無在庫販売を始めようという方は、今回お話したリスクについてしっかり考えた上で始めていただければと思います。
今回のホンマエ
・無在庫販売はアカウント閉鎖のリスクがある違反行為
・リスクコントロールを行い、計画的に取り組むことができれば稼ぎやすい販売方法
・無在庫販売よりも有在庫販売の方が長期的に稼ぎ続けることができる